事業資金の調達方法として利用者が増えているファクタリング。
そんなファクタリングでは手数料がかかりますが、次のように考えている人も多いです。
「手数料がいくらくらいかかるのかが不安」
「できるだけ手数料を抑えてファクタリングを利用したい」
今回はそんな人に向けて、ファクタリングにおける手数料の相場や手数料の低いファクタリング会社の選び方など手数料に関する情報を紹介していきます。
手数料 | 1%~14.8% |
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上限額 | 無制限 |
振込時間 | 最短2時間 |
手数料 | 1.5%~ |
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上限額 | ~2億円 |
振込時間 | 最短2時間 |
手数料 | 1%~ |
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上限額 | ~5,000万円 |
振込時間 | 最短1時間 |
ファクタリングの利用時には必ず手数料がかかる!
前提として覚えておいてほしいのが、ファクタリングを利用する際には必ず手数料がかかるということです。
これはファクタリングを行う際にはさまざまな費用が掛かり、またファクタリング会社側も手数料から利益を出しているためです。
そのため手数料を低く抑えることはできても、手数料無料でファクタリングを利用することはできません。
手数料無料を謳っているような会社は悪徳業者の可能性が高いため、騙されないようにしてください。
ファクタリングでは何で手数料がかかるの?手数料の内訳について
ファクタリングを利用する際には手数料がかかりますが、「なぜ手数料がかかるのか」、「手数料はどんなことに使われているのか」が気になる人も多いことでしょう。
ファクタリングにおける手数料の内訳は、主に次の2種類に分けられます。
- ファクタリング手数料
- 手続きに必要な諸費用
なおファクタリング会社によっては手数料と諸費用が別に分けられており、それぞれが徴収されるケースもあります。
そのため手数料すべてがファクタリング会社の利益になるわけではなく、手続きにかかる費用も手数料として支払っているのです。
ここからはこれらの手数料についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
ファクタリング手数料
ファクタリング手数料はファクタリング会社の利益になる部分です。
ファクタリングは当然ですがボランティアではなく、ファクタリング会社が行っている事業です。
ファクタリング会社はそこから利益を出さなければいけません。
ファクタリングにおいてはファクタリング会社側が売掛債権の回収リスクを負わなければいけません。
もし売掛金が売掛先から振り込まれなかった場合、ファクタリングでは償還請求権がないため、ファクタリング会社は大きな損失を負うこととなります。
その未回収リスクを負ってもらう対価としてファクタリング手数料を支払うことになります。
ファクタリング手数料には消費税がかからない
ファクタリング手数料に関しては手数料は一切かかりません。
これはファクタリングは国税庁から定められている非課税取引に該当するためです。
手数料のせいで振り込まれる金額が少なくなるといったこともないので安心してください。
手続きにかかる諸経費
ファクタリングの手続きを行う際には、次のような諸経費が掛かります。
- 債権譲渡登記費用
- 審査/事務手数料
- 印紙代
- 交通費
- 振込手数料
なおファクタリング会社によっては一部の諸経費はファクタリング会社側が負担してくれることもあるため、どの費用が必要かはファクタリング会社ごとに異なります。
債権譲渡登記費用
債権譲渡登記費用はその名の通り、債権譲渡登記の手続きを行う際にかかる費用です。
2社間ファクタリングを利用する場合、債権譲渡登記を求められることがあります。
この債権譲渡登記は債権譲渡をしたことを第三者に証明するために行われるもので、行っておくことで二重譲渡を防ぐことが可能です。
債権譲渡登記費用は7,500円程度かかることが多いですが、手続きを司法書士へ依頼する場合、5~10万円ほどかかるケースもあります。
債権譲渡登記は法人のみが行うことができ、個人事業主の場合は債権譲渡登記が必要なファクタリング会社は利用できないので覚えておきましょう。
審査/事務手数料
ファクタリングでは審査や契約の際にかかった費用を審査手数料・事務手数料として請求されることもあります。
審査手数料・事務手数料は数千円程度になることが多いです。
印紙代
ファクタリングで売掛債権の譲渡契約を行う際には、契約書に印紙を貼らなければいけません。
印紙代は買い取ってもらう売掛金の金額によって以下のように変動します。
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上 | 200円 |
1万円未満の売掛金を買い取ってもらうことはまずないでしょうから、基本的には200円の印紙代がかかります。
なお電子契約を行う場合は印紙代はかかりません。
交通費
ファクタリングでは審査の際に面談が必要になることがあり、ファクタリング会社で行われることもあれば、利用者側の企業にファクタリング会社の職員が来ることもあります。
ファクタリング会社の職員が来る場合はその際にかかった交通費を利用者側が負担しなければいけないケースもあります。
振込手数料
ファクタリングでは売掛金の買取代金は振込で受け取ります。
なおファクタリング会社によっては振込手数料を負担してくれることもあります。
ファクタリングの手数料相場はどれくらいなの?
ファクタリングでかかる手数料は2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのどちらを利用するかによって異なり、それぞれの相場は以下の通りです。
2社間ファクタリング | 10~30% |
3社間ファクタリング | 1~9% |
このように2社間ファクタリングの方が手数料が高く設定されています。
なおファクタリングの手数料はファクタリング会社が自由に決めることができるため、同じ金額の売掛金であってもどの会社を利用するかで変わります。
ファクタリングの手数料に上限はない
銀行などで融資を受ける場合、利息制限法があるため利息には上限が設定されています。
ですがファクタリングの場合は融資ではなく売掛金の買取になるため利息制限法の範囲外となり、上限が決められていません。
優良なファクタリング会社であれば相場程度の手数料で利用できますが、中には上限がないことを利用してかなり高額な手数料を取るような悪質なファクタリング会社もあるので注意してください。
ファクタリングの手数料はどうやって決まるの?手数料を決める6つの要因
ファクタリングにかかる手数料は利用するファクタリング会社によって違いますが、手数料はさまざまな要因で決まります。
そのため同じファクタリング会社で同じ金額の売掛金を買い取ってもらうとしても、手数料が変わる可能性があります。
ファクタリングの手数料は主に次の要因で決まるため、それぞれ確認していきましょう。
- 2社間か3社間か
- 売掛金の金額
- 支払期日までの機関
- 売掛先の信用
- 利用者の信用
- 利用実績
ファクタリングの種類
ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがありますが、どちらを利用するかによって手数料は大きく異なります。
一般的に2社間ファクタリングの方が手数料は高く設定されており、3社間ファクタリングだと数%程度の手数料で利用できるケースも多いです。
これは2社間ファクタリングでは利用者とファクタリング会社とで契約を結ぶのに対し、3社間ファクタリングでは利用者とファクタリング会社・売掛先の3社で契約を行うためです。
3社間ファクタリングでは売掛先がファクタリングを利用することに同意しており、売掛金が売掛先から直接ファクタリング会社に支払われます。
そのため未回収になるリスクが低く、その分手数料も安く抑えられるのです。
買い取ってもらう売掛金の金額
ファクタリングの手数料は買い取ってもらう売掛金の金額によっても変動します。
ファクタリング会社側としては高額な売掛金を売ってもらった方が効率よく利益を出せます。
そのため高額な売掛金を使ったファクタリングを考えている企業・事業主を他のファクタリング会社に渡したくないので、手数料を抑えて自社を利用してもらおうとします。
ただし、いくら高額な売掛金であっても売掛先の信用が低いと未回収リスクが高くなってしまいます。
そのためある程度の信用がある売掛先である必要はあるので覚えておきましょう。
支払期日までの日数
ファクタリングの手数料は買い取ってもらう売掛金の支払期日までの日数によっても変動し、支払期日が早い方が手数料は安くなる傾向があります。
これは、支払いまでの期間(支払サイト)が長いほど、その間に売掛先が倒産などで売掛金が支払えなくなるリスクが高くなるためです。
逆に支払期日が早ければ、きちんと売掛金が支払われる可能性が高いため、未回収リスクのための手数料を高くする必要がなく、安く済むのです。
売掛先の信用
ファクタリングでは売掛先がきちんと売掛金を支払ってくれるかが非常に重要です。
そのため売掛先の信用によっても手数料は変動します。
基本的に手数料は信用のある売掛先の売掛金を買い取ってもらうほど安くなります。
これは、ファクタリング会社は売掛金が支払われなければ大きな損失を抱えてしまうため、支払えないリスクが少しでもあるようなら手数料を高くして、リスクに備えるためです。
それどころか、未払いのリスクが高いと判断されると、審査の時点で落とされてしまう可能性もあります。
なお、売掛先の信用は以下の内容を参照して確認されることが多いです。
- 信用調査会社の掲載情報
- 会社の規模や業種
- 利用者とのこれまでの取引履歴
利用者の信用
ファクタリングでは売掛金が支払われないといけないため売掛先の信用が重視されますが、実は利用者側の信用も手数料に影響します。
これは2社間ファクタリングの場合、売掛先がまず利用者に支払われ、その後利用者が売掛金をファクタリング会社に支払うためです。
万が一売掛先から売掛金が支払われた後に利用者がそれを使ってしまうと、ファクタリング会社に振り込まれなくなってしまいます。
例え売掛先の信用が高くても、利用者の経営が厳しい場合には売掛金を使われるリスクが高くなるため、リスク回避のために手数料は高くなる傾向があります。
ファクタリング会社の利用実績
ファクタリングでは、ファクタリング会社の利用実績が豊富なほど手数料は安くなります。
何度もファクタリング会社を利用し、毎回きちんと期日までに売掛金を支払っている場合、その企業・事業主はきちんと支払いをしてくれる可能性が高いと判断できます。
逆に初めて利用する場合は、本当に期日までに支払いをしてくれるかがわからないためリスクがあります。
同じ会社で何度もファクタリングを依頼していると、手数料が徐々に安くなっていったり、審査に時間がかからなくなることが多いですよ。
手数料を安く抑えよう!手数料を抑えるコツ・手数料の安いファクタリング会社の選び方
ファクタリングの手数料は振込金額に直結するため、できるだけ手数料を抑えたい・手数料が低いファクタリング会社を利用したいと思うのは自然なことです。
ファクタリングの手数料を低くしたいのであれば、次のポイントに注意をして資金調達を行うようにしてください。
- 3社間ファクタリングを利用する
- 相見積もりを取る
- 信用のある売掛先を選ぶ
- 同じ会社を何度も利用する
- キャンペーンを活用する
- 紳士な対応で面談をする
- 支払期日が早い売掛金を選ぶ
3社間ファクタリングに対応した会社を選ぶ
手数料を抑えてファクタリングを行うためには、3社間ファクタリングを利用するのがおすすめです。
3社間ファクタリングは売掛先の承認がある分未払いのリスクが低く、手数料が安く抑えられています。
ただし3社間ファクタリングはどのファクタリング会社でも利用できるわけではなく、銀行系やノンバンク系が提供していることが多いです。
また3社間ファクタリングは売掛先の承認が必要なため、手続き時間がかかり、またバレずに資金調達をしたい場合にも向きません。
いつでも3社間ファクタリングが向いているわけではないため、状況に応じて3社間ファクタリングを利用できるのであれば利用するといった柔軟な対応をするようにしてください。
複数のファクタリング会社を比較する
同じ条件でファクタリングを申し込んだとしても、手数料は利用するファクタリング会社によって変わります。
これはファクタリング会社はそれぞれが独自の審査基準を設けているため、同じ条件であっても評価が変わるためです。
そのため、手数料が低いファクタリング会社を選ぶためには複数のファクタリング会社に査定を依頼し、比較した上で利用する会社を選ぶことが大切です。
ファクタリングは査定をしてもらったからといって必ず利用しなければいけないわけではなくキャンセルもできるため、しっかりと比較することをおすすめします。
何度も申し込みをするのが面倒な場合は、複数の会社に査定を依頼できる一括見積りサイトを利用するのもおすすめですよ。
できるだけ信用がある売掛先の売掛金を選ぶ
ファクタリングにおいては売掛先の信用が非常に重視されており、信用の高い売掛先を選ぶことで手数料は下げられます。
特に大手企業や上場企業、公的機関は信用があり、売掛金がきちんと支払われる可能性が高いため手数料が低くなる傾向があり、お得にファクタリングを利用できます。
また自社との取引実績が豊富で、毎回きちんと売掛金が期日までに支払われていると証明できる場合も手数料は安くなります。
企業によっては売掛金が少なく選べなかったり、必要な金額の影響で選択肢が少ないこともあるかもしれません。
ですができるだけ信用のある売掛金を選ぶようにしてください。
同じ会社を複数回利用する
ファクタリングの手数料を抑えるためには、毎回同じファクタリング会社を利用して利用実績を積むことも大切です。
利用実績が増えればその分利用者の信用も高くなり、手数料を下げてもらえる可能性が高いです。
また利用実績が増えると審査にも時間がかからなくなります。
急に資金が必要になった場合や、できるだけスピーディーに資金調達をしたい方は利用したことがある会社を利用するのがおすすめですよ。
キャンペーンを活用する
ファクタリング会社では初めてそのファクタリング会社を利用した人を対象にお得にファクタリングが利用できるようにしていたり、期間限定で手数料を下げるといったキャンペーンを開催していることもあります。
そのようなキャンペーンを活用することでも手数料は抑えられます。
ただしキャンペーンはいつでも開催されているものではないため、利用したいタイミングでは利用できない可能性も十分にあるので注意してください。
面談などでは真摯な対応を心がける
ファクタリング会社では利用する前に対面やオンライン、電話などで面談が行われます。
実はこのときの対応も手数料に影響することがあり、丁寧に対応したほうが手数料が安くなる可能性が高くなります。
ファクタリング会社のスタッフも人間ですので、面談での対応が悪いと印象が悪くなります。
結果、本当にきちんと支払いをしてくれるかを不安に感じてしまい、未回収リスクに備えて手数料が高くなるのです。
変にかしこまった対応をする必要はありませんが、身だしなみを整えて真面目に期日までに支払う気があることが伝わるような態度を心がけましょう。
支払期日が早い売掛金を買い取ってもらう
ファクタリング会社では支払いまでの期日が短いほど倒産や経営が傾くなどの未回収リスクが下がるため、手数料も安くなります。
複数の売掛金を保有しているのであれば、できるだけすぐに支払われる売掛金を選ぶようにしましょう。
ファクタリングの手数料を確認するときの注意点
ファクタリング会社を選ぶ際には手数料を重視する企業・事業主も多いですが、手数料だけに着目してしまうと思わぬ損をする恐れもあります。
できるだけ良い条件で資金調達を行うために、次のことに注意して手数料を確認することをおすすめします。
- 手数料以外の条件も確認する
- 手数料が安すぎるファクタリング会社は避ける
手数料だけで選ばない
ファクタリングを利用するときには手数料ばかりを気にしてしまう人も多いです。
ですがファクタリング会社を選ぶときには、手数料だけでなくサービスの質なども確認するようにしてください。
ファクタリングでは会社によって資金調達にかかる時間や審査の通過率、利用可能額などが異なります。
そのため手数料だけで選んでしまうと、それ以外の部分で満足できない可能性があります。
必ずさまざまな情報を確認したうえでファクタリング会社に申し込みをしてください。
手数料が安すぎるファクタリング会社には注意
ファクタリング会社はそれぞれ手数料が違い、中にはかなり安い手数料のところもあります。
ですが実は、手数料が他のファクタリング会社よりも明らかに低い場合は注意が必要です。
手数料が低すぎるファクタリング会社では、審査をした結果手数料を高くされたり、手数料とは別に各種手数料がかかるため上乗せされてしまう恐れがあります。
結果、通常よりも高額な手数料を請求されてしまうのです。
手数料を抑えたい気持ちはわかりますが、あくまで相場の範囲内で手数料が低いファクタリング会社を選ぶようにしてください。
まとめ:ファクタリングの手数料や相場を把握して納得いく資金調達を
今回紹介してきたようにファクタリングでは手数料がかかりますが、手数料は利用するファクタリング会社や買い取ってもらう売掛金などさまざまな要因が影響して決まります。
そのため売掛金やファクタリング会社を上手く選べば、手数料を抑えて資金調達をすることも可能です。
また提示された手数料が妥当なものかを判断するためには相場を把握しておくことが大切です。
今回紹介した情報を活用して、ぜひできるだけ良い条件で資金調達を行ってください。